ドルーロにゃん、政治経済を考える。

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ミャンマーに日本はなぜ介入しないのか。忍び寄る中国の覇権と日本の立場とは。

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ミャンマーでは、軍部によるクーデターと弾圧が続き、連日のように市民の死者がでています。凄惨な殺戮や、国軍による少数民族への空爆まで起きているようです。しかしこのような弾圧はミャンマーだけに留まりません。

中国は、香港での民主派の弾圧、ウイグル族への民族浄化など、自由主義を抑圧して強権を拡大しています。日本周辺でも、中国による尖閣諸島周辺の領海侵犯が相次ぎ、警備船に武力行使を認めた「海警法」が施行されるなど、その力が拡大しつつあります。先のミャンマー問題でも、軍部の背後には中国の影がちらついていると噂されているようです。

衰退の一途を辿る日本に対し、アジアで覇権を手にしつつある中国。しかし日本政府は、これらの強権的な行いに対しては静観しており、制裁はおろか非難すら十分にできていません。衰退を続ける日本は、これらの問題にどう関わるべきなのか、今回もドルーロにゃんが考えます。

 f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plainよろしくにゃ

 

ミャンマー国軍が事態を悪化させる理由

国民の殺戮を続け、国際的に批判が高まっているというのに、ミャンマー国軍はその手を緩めることをしません。なぜここまで強気でいられるのか。それは、大国が介入してくることはない、とわかっているからです。

これまで歴史の中では、多くの内戦や民族紛争では、他国の軍事介入により解決がはかられてきました。カンボジアの内戦では隣国ベトナムが、ユーゴスラビア内戦ではNATOが、シリアでのイスラム国による紛争でも有志連合が介入し、内戦を終結させてきました。

しかしこれらは、介入した国々に「利益がある」からなのです。

残念ながら、ミャンマーに介入して利益のある国はあまりいません。しかし、中国にとってはミャンマーは地理的に非常に重要な国です。

 

ミャンマーを狙う中国

中国は、アメリカを蹴落として、世界の覇権を手に入れようとしています。

現代において、自国を豊かにするためには、産業力を高め、世界中と貿易をすることにより、世界中から「カネ」の流れを呼び込むことにあります。いま、世界の貿易は、欧米により構築されたルールに従うことが求められ、この貿易網は世界中に展開するアメリカの海軍力に保護されています。ですから、アメリカの意にそぐわなければ、貿易を続けることはできません。

戦後急成長した日本は、質と価格でアメリカの産業を脅かしたために、アメリカからの圧力を受け、やがてこの「日米貿易摩擦」に屈しました。アメリカ主導の貿易体制に従い続けることが、圧力に屈してでも利益があると判断したからです。

一方中国は、日本の失敗を目の当たりにし、巨大な人口・経済力・軍事力で、アメリカに対抗することを選びました。アメリカ主導の貿易体制を覆し、中国主導の貿易体制「一帯一路」を完成させようと、「米中貿易戦争」に挑んだのです。

 

米中貿易戦争については、こちらの記事もチェック↓

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この貿易ルートで重要になるのが、東アジアです。中国は、海への出入口にある敵対勢力を排除すべく、尖閣諸島や台湾の攻略を目指します。さらに、続く南シナ海の香港や南沙諸島を手に入れ、航海ルートの安全を図ります。問題は、幅の狭いマラッカ海峡です。封鎖が容易なこの海峡を敵対勢力に確保されると、貿易は止まってしまうからです。ここは歴史的にも多くの国々の紛争の種になってきました。アメリカに封鎖されると、一帯一路は破綻してしまうのです。

ここで、重要になってくるのがミャンマーです。ミャンマーと中国は山間部で隣接しており、仮にマラッカ海峡を封鎖されても、ミャンマーを手にしていれば、中国はミャンマー経由でインド洋へと出ることができるのです。ミャンマーの発展には中国による多額の投資が礎となってきましたが、これには、ミャンマーを手懐け、また自らが整備したインフラを用いて貿易ルートとするためなのです。

民主ミャンマーであろうと軍政ミャンマーであろうとこの事実に変わりはありません。しかし、政治体制が不安定な民主制よりも軍政は安定しています。国軍勢力が民主勢力に押されて窮地に陥っている、と嘆願されれば、中国の関与と引き換えに、体制の安定とクーデターの支援を約束してもおかしくはないでしょう。

 

中国の世界戦略については、こちらの記事もチェック↓

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日本がとるべき行動は

このようにして、アジアでの勢力を着実に拡げている中国。対する日本は、軍事力も小さく、また産業も国際的な敗北を続け、国内では人口減による消費や労働力の減少が立ちはだかるなど、衰退の一途をたどっています。

もしアジアの交易ルートが中国のものとなると、インド洋の覇権はアメリカから中国に渡ることになります。それはすなわち、アメリカに付き従う日本は、中東、ヨーロッパ、アフリカへの交易ルートを失うことになり、エネルギーの輸入と製品の輸出は止まり、国民経済は死滅することになります。

それを防ぐには、アメリカとの同盟を解消し、中国の軍事力と貿易体制のもとにくだるしかなくなるのです。事実、現政権はこの結末に至るように考えています。中国の人権問題は非難せず、尖閣諸島問題にもなあなあの対処を続けるのは、中国を逆撫でしないように意識している証拠です。

もちろんこれにも一理あります。中国と敵対して経済制裁をくらえば、日本経済の好況ははたちまち吹き飛んでしまうでしょう。また万が一、米中戦争でも起きようものなら、アメリカの最前線として全土が火の海になることすらあり得るのです。

しかし、盟主をアメリカから中国に乗り越えたとしても、日本の衰退が止まるわけではありません。日本の成長のために、この混乱をチャンスにして「日本のための貿易体制」を築き上げるときなのです。

 

日本はミャンマーを手に入れろ

欧米諸国には利益が少なく、介入の余地のないミャンマー。しかし日本には利益があります。

ミャンマー海上戦力を配置できれば、インド洋の航行に自由を得、中東やヨーロッパとの交易ルートは保たれます。また、まだまだ経済が発展途上のミャンマーで、製品のシェアを拡大させれば、成長とともに膨れ上がった利益を独占することもできます。

もしこの利益が中国に渡ることになれば、アジアの覇権はもう取り戻すことはできません。だからこそ日本は、ミャンマー国軍と中国の影響力を排除し、ミャンマーを手に入れるべきなのです。そうすれば、ミャンマーを拠点に東南アジアの利益を吸収しつつ、中国の一帯一路を妨害し、欧州への通商を安定的なものにできるのです。

ミャンマーを獲得する手段には、武力をともなう威嚇や行使も含まれるべきです。中国の拡大と日本の衰退を止めるため、ミャンマーは重要な拠点です。だからこそ、改正された安保法制の「存立危機事態」として武力を行使することができます。日本単独では作戦遂行に無理があることから、EUから孤立したイギリス、インド洋の盟主であるインドにも、出兵を求めるべきでしょう。

戦争を放棄した国で、この平和な時代に、非現実的な提言と思われるかもしれません。しかし古今東西、大国となってきた国々は、世界中の地域に介入してその経済力を保ってきたのです。たまたま太平洋戦争ではそれに失敗し、かつ失敗してもアメリカの庇護化で成長できてしまった日本は、そのことを忘れてしまいました。しかし我々は、国家の繁栄のためには闘わなければならないという、現実を直視しなければなりません。

こうした積極的外交に出るにあたり、あえてアメリカを頼らないことが重要です。アメリカ経済圏か、一帯一路かの選択では、日本の衰退は止められません。日本が影響力をもち、独自の貿易体制を構築していかねばならないのです。

 

中国との対決を覚悟できるか

この積極的外交は、中国との対決を意味します。日本国民は、中国と戦うのか、中国に屈するのか、そろそろ腹をくくらなければなりません。

中国から経済制裁をうければ、日本経済は大打撃を受けます。輸出も輸入も中国は大きな取引先であり、観光需要の中心でもあります。しかし、中国に屈したとしても成長する未来はありません。

また、中国と戦争になれは、国土の小さい日本はあっという間に火の海になり、占領すら容易でしょう。ですから、戦争が起きるより前に、チクチクと中国を痛めつける必要があります。たとえば、香港やウイグル問題に常に言及して国際社会の非難を集めたり、スパイ組織を創設して中国国内の内乱を誘発させたり、不買運動や生産拠点の引き上げなどの経済戦争をしかけたりと、永続的な敵対工作が求められます。もちろんこの反撃も予想され、日本にいる中国人による襲撃や諜報など日本国内の治安の悪化も起こることでしょう。

いずれにせよ、中国とアメリカのはざまで、どっちつかずの姿勢ではもういられなくなっています。中国と対決するのか中国にくだるのか、政治家はその態度を明確にし、日本国民はその選択をすべきときなのです。ミャンマーのひとたちの命のためにも。

 

 

この国の衰退を食い止めたい、ニッポンを復活させたい、経済って何なのかゼロから知りたい、という思いから、ドルーロにゃんはこのブログで政治経済を学んでいきます。

日本の衰退を食い止める方法は「ひとりでできる経済政策」で解説しています。

どうして日本は衰退してしまったのかの4回シリーズや、キホンのギモン解説集も見てみてください。

政治家や偉い人に任せず、日本の復活のために、ひとりひとりで行動を起こしましょう。そんな運動をブログからはじめていきます。

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