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夫婦別姓と皇位継承の共通点。眞子さまご結婚はなぜ批判される?

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もうまもなく、秋篠宮眞子さまと、コムケイこと小室圭氏がご結婚されます。世論は完全に二分されていて、本人たちの意思による婚姻を祝福する声と、日本の象徴である天皇と皇室の名を汚すものであるという声にわかれています。

ところで、眞子さまは結婚して皇室を出る立場なのに、どうしてこの結婚がこんなに批判されるのでしょうか。イメージが悪いからとか、皇室の正式な手順を踏んでいないから、という声もありますが、これはたいした問題ではありません。保守派ですら本質を理解できていない、今話題の夫婦別姓問題と共通する、「家系」にまつわる点こそが、問題点なのです。

皇位継承問題を、今回も、ドルーロにゃんが考えます。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plainよろしくにゃ

夫婦別姓で小室天皇

女系天皇を認めるかという問題と、夫婦別姓の問題は共通しています。

夫婦別姓の議論は日に日に盛り上がってきていて、賛成反対に世論は分断されています。反対派の意見は、日本の伝統的な家族観が崩壊する、といっていますが、いまいちなんのことだかパッとしません。

ここではっきりさせておくべきことは、まず、夫婦別姓を取り入れたところで、日本の伝統は崩壊しないということです。

重要なところは夫婦の姓ではないのです。問題は、夫婦の子供がどちらの姓を選ぶかなのです。父の名を取り「男系」継承とするのか、母の名を取り「女系」継承とするのか。もしくは、自由選択とすることにより、「家系」という概念そのものを放棄するのか。この3つ目の選択肢こそが日本の家族制度の崩壊を意味するのであって、賛成派も反対派もほとんどの人はこの事実を理解できていません。

詳細はリンク先にて

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皇族は、皇室典範という法律によって、「男系」継承であると定められています。もし世の中から、子供の姓選択が自由になって「家系」の概念がなくなれば、やがてその波は皇室にも及ぶことは確実でしょう。皇族の「自由意志の結婚」を容認する声がある現実を見ても、世の中の風潮が皇室に与える影響は小さくないことは明白です。

 

今回の、眞子さまと小室氏の結婚が、直接皇室の継承制度に影響を及ぼすわけではないし、小室圭氏やその子供が天皇になるということはありません。しかし、夫婦別姓にまつわる世論の高まりを受けて、皇室典範が改められ、女系にも継承が認められてしまった場合はどうなるでしょう。今回のような結婚が再び起きたとき、皇族女子と結婚した者と、その子孫は皇室入りすることになるのです。

つまり、何らかの悪意を持ったものが、婚姻により皇族入りを果たすことも可能になり、皇室の権威はおとしめられていくことになるのです。

 

皇室の権威はそんなに重要?

皇室の権威なんて、あってもなくても関係ない。そう思う人はほとんどでしょう。

きっと、江戸時代の人々もそう思っていたはずです。国のトップは江戸にいる将軍さま。天皇というのも京都にいるらしい。そんな程度のものだったはずです。しかし、江戸末期の動乱により、急速に天皇の権威が高まり、遂には天皇を中心とした明治政府が誕生することになります。

いまの民主主義日本は、戦後たったの70年程度の政治体制です。260年続いた江戸幕府のように、いつまた混乱がやってきて、天皇の権威が必要とされるかわかりません。その混乱の際に、婚姻によって天皇の地位を悪用されるようなことがあってはなりません。天皇家の血統は確実に保護し続ける必要があるのです。

 

夫婦別姓は正しい議論を

夫婦別姓問題は、結婚の際に選ぶ姓を自由にしよう、という点に論点が置かれているようですが、これは非常に残念なことです。またその論点に立っては、保守派は本質的な批判が全くできていません。そして夫婦別姓賛成派は、利便性や男女平等を盾に主張を繰り広げています。

しかし本来論じられるべきは、その夫婦の子供の姓をどうすべきかなのです。もし子供の名乗る姓が自由になれば、父の家系を継ぐことも母の家系を継ぐことも可能になります。これを自由と捉えるか、無秩序と捉えるかは価値観によるでしょう。

 

例えば父親が鈴木だったとして、自分の姓は母の姓を継いで、佐藤姓だったとしましょう。しかし母親の父(祖父)は田中であり、祖母の姓が佐藤であったことから、佐藤姓を名乗っていました。自分は佐藤家の人間、といっていいのでしょうか?

佐藤姓の祖母の兄が、結婚して男児をもうけ、姓は妻の姓である高橋に。その男児はまた結婚して男児をもうけ、姓は妻の姓である伊藤になることもありえます。

この例を取れば、いまでいえば佐藤家の直系男子である人物が伊藤になってしまい、2度も嫁入りをした子孫が佐藤を名乗り続けることになるのです。

 

こんな継ぎ方が許される世の中であったならば、「家系」という概念は完全に崩壊していると言えるでしょう。

家系など日常生活には関係ない、と感じる人も少なくはないでしょう。しかし、政界財界、また地域の有力者などの力の源泉は、一族のつながりによる人脈や名声です。これを封建的だ、前時代的だ、権威主義的だ、と非難する声も少なくないでしょうが、現代日本の力の源泉となっていることは否定できません。その最たる例が、天皇家とその権威なのです。宗教すらもたない一億の人々をつなぎとめ、見えない力で日本の政治体制を保つ役割を果たしてきた、その貴重で重要な権威を、失ってはいけないのです。

そのためには、家系の問題である夫婦別姓問題、そして皇位継承問題を、正しく議論しなければならないのです。

 

結婚も、過ぎた批判も、権威の低下に

今回の結婚に伴う小室氏側の問題も、そしてこれを取り上げ続けるメディアや国民感情も、いずれも皇室の権威を傷つける行為と言わざるを得ません。小室氏との結婚は望ましくはないものの、決まった以上は静観するのが、皇室に対する敬意ではないでしょうか。

そして今後の日本社会と皇室のために、姓と家系のあり方を正しく議論していくときなのです。

 

 

 

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どうして日本は衰退してしまったのかの4回シリーズや、キホンのギモン解説集も見てみてください。

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