日本は衰退している?
先進国のニッポンで何不自由なく過ごして いる私たち。でも、この豊かな国ニッポン にも、少しずつその陰りが見えてきました。
景気がいいと言われているのに給料は一向に上がらないし、税金と保険料は増え続ける。日本が誇った電気産業は次々と海外に買収され、衰退する日本に取って代わって、世界中で覇権を伸ばす中国 。
果たして、私たちはこの豊かさを享受し続けることができるのでしょうか。
心配だにゃぁ
全4回に渡って、どうして日本が衰退して しまったのかを、ドルーロにゃんが勉強していきます。
シリーズ「どうして日本は衰退してしまったのか」はこちら
第1回は、少子化がなぜ問題なのかを考えま、日本衰退の根本にあることを、ドルーロにゃんが学んでいきます。
猫には少子化なんて関係にゃいのに
世の中のテレビなどのメディアでは、スキャンダルや目先のことばかりをピックアップしますが、ドルーロにゃんは違います。「日本が衰退した理由は何なのか」「どうしたら日本が復活できるのか」を真剣に考えます。
問題1 老人を支えきれない
日本人の平均寿命は80歳を超え、最近では「人生100年時代」とも言われるなど、医療の発達や食生活の豊かさにより、どんどん寿命は長くなっています。
でも、死ぬ間際まで元気に稼ぎ続けたいと思っても健康面で難しく、定年後は国から年金をもらうことで、「老後」をゆったりと過ごすことになります。
しかし、その年金を支払っているのは現役の働く世代です。子供が少ないということは、将来の働く世代が少なくってしまうということ。すると、定年した人たちの「老後」を支える年金を支払う人が少なくなってしまうことになります。
・日本の人口構造の変化
1960年時点では、日本人の3人に1人は子供で、高齢者は10人に1人もいませんでした。圧倒的に若い世代のほうが多かったのです。
しかし2017年時点では逆転し、3人に1人は高齢者で、子供は10人に1人しかいない状態で、高齢者だらけの国になってしまいまきた。
年金が少なくなると言っても、「老後」に稼ぎのない高齢者の生活のため、年金をなくすわけにもいきません。なので、働く世代が支払う額を増やすしかないのです。
実際、国民年金の支払額(保険料)は、どんどん上昇しています。平成の30年間で比較してみましょう。
平成元年の国民年金保険料は月8,000円でした。しかし平成31年には月16,410円へと倍増してしまったのです。(日本年金機構 国民年金保険料の変遷表より)。
日々の給料から年金をたくさん支払えば、手元に残るお金は少なく、満足にモノを買うことができなくなってしまうでしょう。
企業から見れば、モノが売れなければ売上も下がり、従業員の給料も下げなくてはいけなくなってきます。給料が下がれば、更に満足にモノを買うことができなくなり…と、経済全体が衰退していくのです。
お金たりないにゃ。。。
問題2 モノが売れない
消費と景気のしくみ
子供は、将来の働く世代です。大人になって働く世代になれば、給料からモノを買って、お金を支払います。
外食したり、デートで映画館に行ったり、車を買ったり。家を借りたり買ったりすれば、家具やテレビを買うし、家族ができれば食費も増えて、学費も払います。
こうして、働く世代が給料からお金を払うこと、それはまた企業のもうけになり、また誰かの給料になって使われていぎす。このようにお金が循環している状態を「景気が良い」と言います。
しかし、働く世代の人数が減ってしまったらどうでしょう。外食する人は減り、車や家の販売数も減り、食品の売上も下がり、企業のもうけは減ってしまいます。
すると働く人たちの給料も減り、満足にモノを買うことができなくなります。このように、お金の循環が悪くなってしまう状態を「景気が悪い」とか「経済衰退」などと言います。
そして、日本は少子化がハイペースで進行中。将来の働く世代である子供の数が、どんどん減っているのです。
数の少ない子供は、やがて大人になるので、今度はモノを買う大人が少なくなってしまいます。大人の数が少なければ、売れるモノも少なくなり、企業のもうけは減ることでしょう。
そう、近い将来「経済衰退」が確実に待っているのです。
景気のしくみについては、リンク先でドルーロにゃんが詳しく解説しています。
経済って何?不景気とは?がわかるポイント3つ ~キホンのギモン解説集①~
日本を維持する大前提は人口の維持
実はこの問題2の方が事は深刻です。
長いこと、日本が不景気から抜け出せない、とか、日本経済が衰退していると言われています。じゃあどう不景気で、何が衰退しているのかといえば、具体的には、企業の売上が下がったり、給料が下がったり、人々の消費が減ったりしています。一言で言えば、お金が使われなくなっているということです。
なぜお金が使われなくなってしまったのかといえば、ここまで解説してきたように、①そもそも「モノを買う人」が減ってしまっていることと、②「モノを買おう」という気持ちが薄れてしまっていることにあります。
②は次回で解説するにゃ
人口を維持し、モノを買ってくれる人を維持する(=消費を維持する)ということは、日本経済を維持する大前提なのです。
こんなにも重大な問題なのに、残念ながら政府は真剣に解決しようとはしてきませんでした。野党やテレビなどのメディアでも、視聴率が取れそうなスキャンダルや、目先の経済対策ばかりに注目させ、大事な問題から目を背けさせてきたのです。
加えて、時代の流れで「女性の社会進出」が推奨され、働きたい女性たちが結婚する年齢が上がったことで、生涯に産める子供の数も減ってしまいました。男女ともに働いて、家庭のために稼ぐのは良いことである一方、子供が減って国を衰退させているのも事実です。
こうして日本は、経済を維持する大前提である人口をどんどん失っています。
繰り返すようですが、少子化は「数ある問題のひとつ」ではなく、日本を衰退させる根本なのです。政府もメディアもこのことに注目しないので、私たちひとりひとりがこの認識を持たなければなりません。「早く結婚して子供を作る」ことは、普通のことのようで、実は最大の社会貢献なのです。
次回
「お金が使われない」理由はもう一つあります。それは「日本人の気持ち」の変化です。失われた20年で失ってしまったものとは。
この国の衰退を食い止めたい、ニッポンを復活させたい、経済って何なのかゼロから知りたい、と、ドルーロにゃんが政治経済を学んでいるブログです。
この国の衰退を食い止める方法は「ひとりでできる経済政策」で考えています。経済のキホンについてはキホンのギモン解説集で解説しています。
人任せにせず、日本の復活のために、ひとりひとりで行動を起こしましよう。そんな運動をブログからはじめていきます。