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【第3回】中国が強くて、日本が墜ちた5つの理由 〜どうして日本は衰退してしまったのか~

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日本が衰退するー方で、中国は力を仲ばし、世界にその勢力を拡大しようとしています。その存在は日本にとって、経済的にも軍事的にも脅威となっています。

中国はなぜ成長したのか。日本は、なぜ中国に追いやられるように衰退してしまったのか。なぜ中国のようにできなかったのか。今回も、日本が衰退した原因をドルーロにゃんが考えます。

 

 

全4回に渡って、どうして日本が衰退して しまったのかを、ドルーロにゃんが勉強していきます。

シリーズ「どうして日本は衰退してしまっ たのか」はこちら

 

今回のPOINT
  • 中国は、経済がすさまじかった
  • 中国は、軍事力を拡大して世界中に進出した
  • 日本は、成長した経済力を活用できなかった
  • 独裁国家中国は、成長した経済力を活用した
  • 日本には、世界戦略がなかった

 

中国が強くて日本が堕ちた理由①~経済力~

中国はかつて、社会主義国であった上に発展途上国でした。簡単に言うと、「儲けることは悪!」「生活も経済もすべて政府が管理する!」という考え方の、貧しい国だったのです。私たちが暮らしている「資本主義経済」は、自分たちで自由に稼いでお金を使うことができる社会なので、これとは対照的でした。

転機が訪れたのが1978年。中国は「改革開放」といって資本主義を受け人れ、世界中と貿易するようになったことでした。

 

中国は、当時は安かった人件費と、12億人という大量の国民を武器に、各国の工場を誘致し、世界中に商品を輸出することで経済を成長させました。

ついに2011年には、世界第2位だった日本のGDP(経済の規模)を追い抜きます。東南アジアやアフリカなどでの製品シェアでは上位を占め、価格の高い日本メーカーの製品を駆逐していきました。

世界で輸出されている製品のうち、日本製のものと中国製のものがどれだけシェアを占めているか、1995年と2011年で比較してみます。

まずはデジカメやテレビなどの電気機械。95年の中国のシェアは3%、2011年には22.4%に伸びる一方、日本は17.2%から6.5%へ減少しています。

続いてエアコンや冷蔵庫などの一般機械。95年の中国のシェアは1.2%、2011年には17.8%に伸び、日本は15.2%から8.5%へ減少。

次に自動車や機械を作るもとになる鉄鋼製品。95年の中国のシェアは3.6%、2011年には18%に伸び、日本は11.8%から9.4%へ減少しています。

経済産業省 通商白書2013より)

そして今や「安いから強い」だけだった中国製品のイメージは変わり、「技術力の中国製品」というイメージになりつつあります。今では、先進的なIT技術ではアメリカと1位2位を争うと言われています。

その分野も多岐にわたり、電子マネーの技術、自動運転システム、顏認証システム(政府が国民を監視するというあやしい目的ですが)などが挙げられ、日本の技術とは大きく差をあけられてしまっているようです。

 

中国が強くて日本が堕ちた理由②~軍事力~

そして力を伸ばしているのは経済分野だけではなく、外交・軍事分野にも及びます。

 

例1 世界中に拠点を作る

中国は最近になって、途上国向けに、鉄道、空港、港などを建設する支援をしています。しかし相手国がその建設資金を支払いきれなかったり、管理費が自国でまかなえなかったりすると、これらの施設を差し押さえています。結果的に、中国は海外に拠点を持つことになるのです。

 

例2 自分の領土・領海を広げる

これだけでなく、中国は周辺領土への進出も強めています。

日本の領土である尖閣諸島周辺には何度も軍艦を侵入させているし、東シナ海の日中両国の中間線では、一方的に油田開発を進めています。

ベトナムやフイリピンとの領有権を争っていた南沙諸島西沙諸島では、一方的に軍事基地を建設して実効支配してしまいました。

 

例3 独裁国家どうし、仲間を作る

また、アフリカには独裁国家が多くあります。日本や欧米諸国は自由主義の国なので、それらの国々に手厚い支援をすることは避けてきました。しかし中国は独裁国家独裁国家どうしで手を組み、それらの国々を堂々と支援しつつ中国の拠点を築いていったのです。

 

このようして中国は世界中に拠点を築きつつあります。いずれはこの点と点を線でつないで中国独自の貿易ルートをつくるつもりです。そこでは他国に邪魔されることなく、中国のルールで、中国の利益のためだけに、世界中で貿易ができるようになることを目指しているのです。

 

これまでそれができたのは、世界中に基地を持っているアメリカだけでした。
日本を含めた先進国・新興国はみな、アメリカの軍事力に保障された貿易ルートで、アメリカが中心になって作ったルールに基づき、貿易を行い、経済を発展させてきました。

中国は、この貿易体制に対抗するため、世界中に拠点を築き、アメリカに負けない軍事力を持とうとしているのです。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plain日本にとっては脅威だにゃ

 

中国が強くて日本が堕ちた理由③~日本の失敗~

このやり方が良いか悪いかは別にして、中国が成長してきたことは事実です。

では、どうして日本は中国のような方法で成長することができなかったのでしょうか。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plain日本だって経済大国なはずだにゃ

 

そう、日本にも成長した時代は有りました。それは高度経済成長期です。戦後の焼け野原で何もなかった日本。生産活動が再開され、雇用が生まれ、賃金が上昇し、モノが売れるようになると、ゼロだった経済が復活ました。どんどんお金が生まれていったので、その成長の幅はとても大きいものでした。

しかし、この経済成長で生まれたお金を、日本は上手に使うことができなかったのす。

 

好景気を極めたバブル期に、銀行も企業も個人も、ふんだんにあるお金でこぞって不動産を買い集めました。しかしその価格もバブル崩壊とともに一気に下落。日本中の企業は赤字になり、長い不景気「失われた20年」へと突入します。

不景気によって、企業にも国にも、新しい技術開発にお金を使おうという余裕はなくなりました。さらに、給料の低下やリストラの実行などで、優秀な技術者を自社にも国内にもとどめておくこともできなくなり、日本企業の実力は低下していきました。

この技術者は国外へ流れ、後の韓国企業(サムスンなど)の発展や、今の中国の発展に貢献することになります。

 

中国が強くて日本が堕ちた理由④~独裁国家の成功~

社会主義から資本主義へと転換した中国の、ゼロだった経済からの成長幅は大きいものでした。日本と違うのは、その経済成長で生まれたお金を、さらなる成長に使ったことです。

 

日本は自由な国ですから、お金を何に使おうが、個人や企業の勝手です。また日本は民主的な国ですから、国民から「老人に年金を」「弱者に助けを」「過疎地方の発展を」と求める声があれば、政府はそのためにお金を使わざるを得ません。

 

しかし中国は、共産党政府が独裁する国家。政府が必要だと思った使い道に、お金を全振りすることができました。

高速道路や新幹線を開通させるため、ビルや街をつくるために、そこに住んでいる人を強制的に立ち退かせることなどいとも簡単で、あっという間に中国のインフラは整っていきました。世界中に中国の拠点を作るためには、軍艦や空母を建造して軍の強化を図り、また世界中に労働者を派遣して港や空港を作り上げました。

また、科学技術、先進テクノロジーにも膨大な投資を図り、いまやアメリカと1位2位を争うようになりました。

このようして中国は、中国が成長するための分野だけにお金を使うことができたのす。

 

もちろん日本は自由な国ですから、中国のようにお金の使い道を勝手に決めるわけにはいきません。

でも、政府や企業が先進技術にお金を投資していたら、日本は成長を続けることができたかもしれないでしょう。

 

f:id:dolleuro-seikei:20190408181157j:plainアメリカは自由な国なのに成長してるにゃ

そう、アメリカが成長し続けているのには、わけがあるのです。

 

中国が強くて日本が堕ちた理由⑤~世界戦略のなかった日本~

日本の世界戦略

日本は平和国家ですから、中国のように悪意のある国際支援はしません。

 

日本政府が海外に投資している有名なものに、ODAがあります。ODAを日本語に直すと、政府開発援助といい、発展途上国の支援のことを意味します。このODAでは、主に発展途上国のインフラ整備を目的とした、低金利でのお金の貸し付けや、技術の提供などが行われています。

仕組みは、相手国が責任をもって行いたい事業を考え、日本に要請し、日本が支援した後、相手国が責任をもってお金を返す、というものです。

 

たしかにこのODAは、途上国の発展のために貢献してきたことは問違いありません。

しかし、日本の利益のために活用することはしませんでした。

支援の代わりに見返りを求めることもせず、中国のように、作った施設を自国の拠点にしてしまうようなこともありません。いずれ、相手国からお金が返済されるのをただ待っだけという、相手国とはとてもクリーンな関係性でできていました。

 

もうちょっと「悪者」になって、日本の拠点を築いたり、日本製品を売りつけたり、その国の資源をわけてもらったり、ということもできたはず。

それをしなかったのは、日本にはっきりとした「世界戦略」が欠けていたことにあります。

 

中国の世界戦略

一方で、中国の世界戦略ははっきりしていました。

 

それは、世界中に中国の拠点を作って、それらを線でつなぎ、アメリカに邪魔されない貿易ルートを作り上げることです。世界中に拠点を築き、あわよくば自分のものとしてしまおうと考えているのです。

たとえそれがそれが汚い手段であっても、独裁者を支援することであっても、目的達成のためには問題にすらならないのです。

 

アメリカの世界戦略

もっと世界戦略がはっきりしているのは、アメリカです。

 

第二次世界大戦が終わった後の世界は、アメリカ陣営VSソビエト連邦陣営の「冷戦」でした。アメリカ陣営に属した国は、アメリカによって保障された平和な世界で、アメリカが保障する貿易ルートを使って経済活動を行いました。アメリカは、味方を保証してあげる代わりに、アメリカに富が集まるよう、あらゆることを求めてきました。(詳細は次回で)

日本もその国々のひとっだったので、世界中と貿易をし続けるためには、アメリカの言われるがままになるしかなかったし、そうすることで経済を発展させてきたのです。

 

1991年、ソビエト連邦が「冷戦」に敗れて解体すると、世界はアメリカー強時代に突入します。

アメリカが産み、発達させた技術である、インターネット、金融システム、スマートフォンなどが世界中で受け入れられるようになり、これらの「仕組み」無しでは世の中が成り立たないようになりました。

この「仕組み」が世界中で使われる以上、アメリカは製品を作り続け、もうけ続けることができるのです。これからは、自動運転技術やAI技術などでも、アメリカが世界をリードし、アメリカに世界中のお金が集まり続けることでしよう。これこそが、アメリカの壮大な「世界戦略」なのです。

 

対する日本はいままで、戦略もなく「アメリカについていく」ことだけをしてきました。しかしその方法では、もう衰退を止めることはできないでしょう。

日本も、世界中から富を集めるために、軍事力も含めた「世界戦略」が必要な段階になっているのかもしれません。

 

次回
次回の第4回は、アメリカがなぜ強いのか、そして日本はアメリカによって衰退したのではないか、という点を解説します。

【第4回】アメリカに2度負けた日本 〜どうして日本は衰退してしまったのか~

 

 

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