ドルーロにゃん、政治経済を考える。

ドルーロにゃんが、イチから政経を学んで、ひとりで政策をやってみるブログ。

「年金崩壊」「貯蓄2000万円必要」、悲観的な財政検証は本当のこと?もう、批判してる場合じゃない。

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2019年6月、金融庁から驚くべき発表がありました。今のままでは年金が足りず、老後に貯金を2000万円はもっていないと生きていけない、という報告書が出されたのです。

〈追記〉また、8月には年金の財政検証が発表されました。日本が経済成長しなかった場合、受取額が激減する、という試算です。〈追記 終〉

100年安心、として再設計された年金制度は破綻してしまうのか、そんな報道が日々飛び交っています。

でもこれって今さらじゃないでしょうか?国民誰もがわかりきってたことじゃないでしょうか?もし、この発表を受けて、おそらく大半の人は「やっぱりそうだったか」と思ったことでしょう。

野党議員は、年金制度が崩壊するのではないかと政府を批判し、政府は「そんなことない」と火消しにやけになり、この金融庁発表を否定する始末。

でもこんな議論をしている場合ではないのです。年金は崩壊する、老後に貯蓄は必要だ、という前提に立って、未来の議論をしなければならないときなのです。

ブログ主(ドルーロにゃん)が、今回も政治経済を考えます。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plainよろしくにゃ

 

なぜ年金が崩壊するか

日本では高齢者の数がどんどん増える一方、子供の数はどんどん減り、少子高齢化が驚くべきスピードで進んでいます。

老後に稼ぎがなくなっても、収入源になるのが年金。その年金を誰が支払っているかといえば、それは現役で働く世代です。だから高齢者が増え、将来の現役世代となる子供が減れば、年金が足りなくなるのは目に見えているのです。

(ところで…)

日本の人口構造はここ50年ほどでがらっと変わってしまいました。

1960年時点では、日本人の3人に1人は子供で、高齢者は10人に1人もいませんでした。圧倒的に若い世代のほうが多かったのです。しかし2017年時点では逆転し、3人に1人は高齢者で、子供は10人に1人しかいない状態で、高齢者だらけの国になってしまったのです。

政府は、高齢者がもらう額を減らし、現役世代が支払う額を増やすことで、なんとか制度を維持しようとしてきましたが、もう限界に近づいています。

例えば、前は60歳から年金がもらえていたのに今は65歳からしかもらえず、ついには70歳に引き上げようという話も出ています。これでは、死ぬ間際まで働き続けなければならず、年金をもらえる頃には死んでしまっているかもしれないのです。

また、現役世代が支払う年金も年々増えています。

実際、国民年金の支払額(保険料)は、どんどん上昇しています。景気が良くなって給料が上がればまだしも、日本の給料は長年伸び悩んでいます。給料が上がらないのに支払う年金が増えるということは、手取りの給料が減ってしまうということなのです!!

(ところで…)

実際、年金の支払額ってどれくらい増えたのでしょうか。平成の30年間で比べてみます。

平成元年の国民年金保険料は月8,000円でした。しかし平成31年には月16,410円へと倍増してしまったのです。(日本年金機構 国民年金保険料の変遷表より)。

もらう給料は増えていないのに、支払う保険料は倍増してしまったのです。

少子化と日本の衰退についての詳細は、下記のリンクでドルーロにゃんが学んでいます。【第1回】少子化で日本が衰退する2つの理由〜どうして日本は衰退してしまったのか〜  

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plain見てにゃ

 

なぜ年金の崩壊を隠すのか

実際、年金制度は崩壊してしまっているようなものです。払うときは大金を払い、老人になっても死ぬ間際までもらえないだなんて、年金制度など無いも同然です。

このことは、今の政権に責任があるわけでもなんでもありません。日本の少子化が進んでしまった結果であり、しいて言えば、昔の政権が少子化対策を怠ってきたこと、そして危機感を持たなかった我々国民に責任があるのかもしれません。

だから、いまさら野党が政府や与党を批判するのはおかしな話です。政府も「年金が崩壊する」ことを隠すのもおかしな話。今は、年金は崩壊するという事実を受け止め、どうしたら人口を増やし、年金を維持するのか、という議論をする時なのです。

結局は、政治家が目先の選挙に勝つために「政府の年金制度は大丈夫!」と言いたい与党、「政府の年金政策はもうダメだ!」と批判したい野党が言い争っているだけ。本当に議論しなければいけない人口政策に触れられることすらないのです。

 

年金の維持は、少子化の解決しかない

年金を維持するためにはどうしたらいいのでしょうか。そもそも、年金崩壊の理由は、少子高齢化です。高齢者が増え、将来の現役世代となる子供が減れば、年金が足りなくなるのは目に見えているのです。

もちろん高齢者を減らすことなどできませんから、やるべきことは子供を増やすことしかないのです。政治家は、目先の言い争いなどやめて、どうしたら子供が増やせるのかを議論しなくてはいけないのです。

これまで、子供がいる世帯には、税金の減額制度や、児童手当がもらえる制度などが作られました。また各自治体でも、子供の医療費を無償にするところもあります。最近では公立高校の無償化が実施され、そろそろ保育所の無償化も実施されます。

これだけしても、なかなか子供が増えません。一体なぜなのでしょう?

 

給料が増えないと、結婚・出産ができない

バブル崩壊のから失われた20年を経て、日本経済はずっと停滞を続けています。この間、給料も横ばいでした。「高度成長期じゃないんだから仕方ない」と思うかもしれませんが、世界各国と比較すると、日本の給料停滞がどれだけ異常なことかがわかります。

 

給料が増えないどころか、支払う年金が増えている今、手取りの給料が減ってすらいるのです。これでは、「教育にかけるお金が足りない」という思いから、子供をたくさん産もうとは思わなくなってしまいます。さらに、「お金がないと家庭を持てない」「お金がない人とは結婚できない」とさえ思うことでしょう。

だから、子供のいる家庭の税金を減らしたり手当を出したりするだけでは、焼け石に水。日本の経済を上向かせるか、企業に強制するかして、我々の給料を上げる必要があるのです。政治家は、その点の議論をしなければならないのです。

 

今回のドルーロにゃんの解説は、ここまで。 

この国の衰退を食い止めたい、ニッポンを復活させたい、経済って何なのかゼロから知りたい、という思いから、ドルーロにゃんはこのブログで政治経済を学んでいきます。

日本の衰退を食い止める方法は「ひとりでできる経済政策」で解説しています。

どうして日本は衰退してしまったのかの4回シリーズや、キホンのギモン解説集も見てみてください。

政治家や偉い人に任せず、日本の復活のために、ひとりひとりで行動を起こしましょう。そんな運動をブログからはじめていきます。

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