2021年秋、衆議院の4年間の任期が迫り、衆議院議員選挙が行われようとしています。この選挙で多数を得た党が次の政権与党となり、首相を輩出することになるので、次期首相を選ぶ選挙でもあります。
誰に投票すればいいのかにゃ
菅政権の政策は失策続きで、一方の野党も、政権の批判をしてばかりで中身がなく、投票先が見つからない、という人も多いでしょう。しかし、「この人は信頼できそう」「清潔感がある」「野党にやらせてみよう」といった感情論で判断してはいけません。日本に立ちはだかる課題に戦える人物を、冷静に見極める必要があるのです。
今回もドルーロにゃんと考えます。
リーダーにふさわしい人物は
先に言ってしまうと、リーダーに向いている人物、というものは存在しません。たとえどんなに有能なリーダーであっても、ここは民主主義国家の日本。リーダーの一存ですべてが決められる独裁国家とは違うので、リーダーの才能だけで、日本の抱える課題に立ち向かうことはできないのです。
え、じゃあどうすればいいにゃ
課題解決のために大鉈を振るうには、それなりの反発も予想されます。ですから、多少の敵を作ってでも政権が維持できるよう、政治家どうしの支持か、もしくは国民からの強烈な支持があり、安定した政権基盤を持てる人が、リーダーに向いている、ということになるのです。
現在、最も現実的な手法は、衰退するマスメディアに代わり、無党派層たるネットの声を支持基盤として、劇場的な選挙戦と、首相就任後に強いリーダーシップを発揮することです。
小泉総理みたいだにゃ。ところで、日本の課題って何なのにゃ?
日本の課題とは
経済・産業的に衰退を続ける日本。一方で中国は、経済・軍事的な拡大と発展を続け、相対的に日本の衰退は目立つものです。
日本は衰退してる?
私達日本国民の生活は、徐々に苦しくなり始めています。
少子化により人口が減り、消費者が減れば、必然的に企業の売上は下がります。それに加えて、日本企業は海外企業に負け続け、海外でも国内でも売上を失っています。そんな日本企業は、日本人の正規雇用の維持と、賃金の上昇に手を付けられず、私達の給料は一向に上がらないまま。一方の年金や税金は、高齢化社会を支えるために上がり続ける。こうして日本経済の規模はどんどん縮小し、私達の生活は徐々に苦しくなってきているのです。
国内に活路を見いだせない国々のなかには、国外にその手を伸ばしている国があります。韓国は市場規模が小さいながらも、スマホで有名なサムスン電子などのIT企業は、世界中のシェアを積極的にとりにいこうとしてくださいいます。
日本もそうしたいところだったのですが、成長する中国にその手を阻まれました。所得の低い新興国市場では、価格が圧倒的に安い中国製品に、日本製品は太刀打ちできなかったのです。しかも今では、製品の質でも日本製品を凌駕しつつあります。このような家電や電子機器といった分野のみならず、高速鉄道の導入といったインフラ分野ても、日本は中国のシェアに圧倒されつづけているのです。
中国の動きはとても戦略的でした。ついこの前まで発展途上国だったは、日本などの企業を誘致してその技術を積極的に取り入れました。さらに、12億を超える人口が裏打ちする人手やマネーを傾斜的に使い、新興国諸国との関係構築に努めました。時には軍事力も誇示しながら、国外の市場獲得に積極的に動いたのです。
日本の衰退に立ち向かうには
日本が先進国として発展を続けてきた時代は、もう終わりを迎えています。発展するときはだれがリーダーであっても良いのですが、衰退するときには、それに対抗てまきる強いリーダーが必要です。
上記の課題と戦うためには、次の3つの戦略を推し進められるリーダーが必要です。それは
- 市場規模の維持
- 日本の企業文化の改革
- 中国との対抗
です。
市場規模の維持
日本企業の売上と企業から出る私達の賃金を守るには、企業の売上を維持する必要があります。そのためには消費者である、国民の数を維持すること。そのためには、少子化を抜本的に解決するか、移民を大量に受け入れるかの選択をしなければなりません。
移民の受け入れは、ヨーロッパの例を見ても、治安の悪化やテロの温床になるなど、デメリットも多いようです。そんな移民政策ですが、実は日本は既に始めてしまっています。あの悪名高い「技能実習生」制度がそうです。これは実質的な移民受け入れであり、これからどんどん、低賃金労働者として、また消費者として、または年金や保険料の払い手として、その数を増やしていこうとしています。
治安悪化を防ぐべく、移民の受け入れを制限するなら、代わりに抜本的な少子化対策を打ち出さなければなりません。子育て世代への金銭的優遇や保育所の拡大などでは効果が現れなかったため、さらなる金銭的措置や、独身に対する課税強化、結婚に対する社会全体の意識改革にまでも手を付ける必要があります。
こういった政策は、国民から反対論が出やすいため、リーダーには大きな決断力が求められます。
企業文化の改革
また、日本企業が海外企業に負けないよう、企業文化の改革にもメスを入れる必要があるでしょう。日本企業には、成果よりも協調性や手順を優先し、無駄な会議ばかりに時間を割くような文化が根付いています。また、社員には従順な一兵卒であることを強いるため、クリエイティブな発想も生まれません。これ故に生産性も独創性もは低く、海外企業に太刀打ちできないままなのです。
既存の企業が改革に躊躇するようなら、それらの企業は切り捨ててでも、ベンチャー企業への出資支援や転職支援を行い、「海外企業に勝てる国」へと、新陳代謝を高める必要があるでしょう。
これまでも、産業界の意識改革として、政府が主導して「働き方改革」を行ってきました。経営者からは、労働者を好きなように扱えなくなることから反発もありましたが、なんとか推し進めてきました。だから、政府のリーダーの決意さえあれば、「企業文化改革」の旗を振ることもできるはずなのです。
中国との対決
そして、日本の発展を阻害しかねない、中国の存在を蹴落として行くことです。
中国は、自国の経済発展のためには、いかなる手段も選びません。自国産業の国外市場を得るためには、新興国の顔を札束で叩いて手懐けたり、味方の少ない独裁国家の後ろ盾になることもあります。その中でも、中国からの借金が返せなくなった国からは、中国が整備してあげた港や空港を、借金のカタとして奪い、中国の貿易的・軍事的拠点に仕立て上げることもしてきました。
中国が最終的に目指すのは、自由貿易の盟主であるアメリカを下し、世界の覇権と、意のままにできる貿易体制を得ることなのです。そうすれば、アメリカからの貿易制裁を受けることなく、自国に都合のいいように貿易利益を受けることができるのです。
中国のこれらの挑戦は、アメリカを盟主とする日本にとっても脅威です。中東ではアメリカの影響力が衰退しつつあり、いずれは中国が覇権を握る可能性もあります。いっそのこと日本は、盟主を中国に乗り換えるという手もあります。しかし相手は自由貿易などお構いなしの独裁国家。中国に付き従ったところで、日本の利益が守られる保証はありません。
米中が本格的に衝突していくとなると、いよいよ日本も態度を明確にしなければなりません。中国と外交的・経済的、やがては軍事的に戦う決断が求められるのです。
この決断には相当なエネルギーが求められます。なぜなら、日本経済は中国の市場の消費によって支えられているところが大きく、中国と関係が悪化し、貿易の縮小・停止などとなれば、たちまち日本の企業は吹き飛んでしまいます。そんな産業界の声を受けた政治家の多くは、中国に対して友好的てあることから、中国と戦う決断をするのは、リーダーにとっては周りを敵で囲むようなものなのです。
リーダーにふさわしいのは
少子化政策か移民政策に舵を切れる人物。そして、産業界や周囲の政治家の声に抗って、企業文化改革に挑み、中国との対決を表明できる人物。これが日本のリーダーにふさわしい人物です。
しかしこれらの政策実現には、リーダーがもつスキルどうこうは問題になりません。人物の素質ではなく、あらゆる敵を作ってでも政策を実行させていける、強い政権基盤を持つことが必要となり、その基盤を持てる人物こそが適任者なのです。
菅首相はどうでしょうか。派閥も持たず、親中派の二階幹事長のいいなりで、産業界を支持基盤とする自民党の総裁でもあります。これでは、大きな決断は下せません。
自民党の岸田氏はどうでしょう。菅首相との一騎打ちに勝ち、支援者で内閣と党執行部を固め、菅陣営の議員を追いやれば、政策に抗うものはいなくなります。しかし常に、追いやった勢力前から足元をすくおうと、狙われ続けることになります。敵を作りやすい政策は、これら勢力からの格好のやり玉になってしまうことでしょう。
ところで、安倍前首相が強い政権基盤を築けたのには、理由があります。当時、野党に転落していた自民党は、派閥争いをする余裕などなく、政権奪還に向け一丸となっていました。その勢いで首相になった安倍氏は、党内の各派閥から閣僚や党執行部を登用したため、ほぼすべての勢力に支持されていたのです。
そういう意味では、今の野党にチャンスはあるはずです。政権奪還に一枚岩となった党内と、国民の絶大な支持による政権交代を達成すれば、政権基盤は盤石です。
しかし立憲民主党には望めません。旧社会党の流れもくみ、共産党とも連携する立憲民主党には、中国と戦う気など微塵もないからです。
日本維新の会も、これまでは体たらくの野党と一線を画してきたはずですが、いまや政権批判に終止する、同列の野党に成り下がってしまっています。
つまり、残念なことに、次期リーダーの適任者は存在しないのです。
え!
この状況を打破できるのは、ネットを通じた国民の声です。チャンスがあるとすれば、自民党の岸田氏や、日本維新の会です。彼らが上記の戦略を打出せば、その尖った主張は国民、特に無党派層の代表たるネットの声に関心を得ることでしょう。そして政権打倒に一丸となった議員集団。この2つは強い支持基盤となり、選挙での勝利と、首相就任後の力強い政策実行が、現実的なものとなるのです。
そろそろ、ネットを通じて、若者たちが動き出すときが来ているのです。
完
この国の衰退を食い止めたい、ニッポンを復活させたい、経済って何なのかゼロから知りたい、という思いから、ドルーロにゃんはこのブログで政治経済を学んでいきます。
日本の衰退を食い止める方法は「ひとりでできる経済政策」で解説しています。
どうして日本は衰退してしまったのかの4回シリーズや、キホンのギモン解説集も見てみてください。
政治家や偉い人に任せず、日本の復活のために、ひとりひとりで行動を起こしましょう。そんな運動をブログからはじめていきます。
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