ドルーロにゃん、政治経済を考える。

ドルーロにゃんが、イチから政経を学んで、ひとりで政策をやってみるブログ。

金融緩和のしすぎは危険?今はバブル?がわかるポイント2つ ~キホンのギモン解説集⑤~

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いまさら聞けない経済の基本と疑問を、ドルーロにゃんとー緒に学びなおす、全5回のシリーズです。
学校で「政治・経済」の授業をやったはずだけど、イマイチ覚えていない人、しっくりこなかった人や、「暗記するだけじゃつまらない」という学生にもわかやすいよう、ゼロから学んでいきます。

不景気だった日本を回復させるために、政府が「財政出動」を、日本銀行が「金融緩和」をする、ということは第三回で説明してきました。
しかし、金融緩和のやりすぎは、「バブル」を引き起こすという、危険な側面があるのです。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181139j:plainなんだかあぶなそうだにゃ

 

今回のポイント
  • 金融緩和で、見せかけの好景気「バブル」がやってくる
  • アベノミクスは、本当の好景気ではなく、「バブル」である

 

 

金融緩和で起こる、見せかけの好景気

不景気になると、日銀が金融緩和をすることで、世の中にお金を供給します。

(その方法は第三回で)しかし、世の中にお金がありすぎると、ある問題が起こります。それが、あの「バブル」です。

不景気になると、日銀が世の中にお金をたくさんばらまいて、無理やり「好景気」にしようと努力します。手元にお金が増えれば、「個人」はモノが買いやすくなるし、「企業」も給料を上げやすくなるので、世の中にお金が回り、好景気になるだろう、という作戦です。
この作戦通りにお金が使われればよいのですが、予期せぬところにお金が使われる可能性があります。

例えば、土地やマンションなどの不動産を買ってしまうこと。あるいは、株などの金融資産を買ってしまうこと。これらを買う人が増えれば増えるほど、その価格は上がります。株価や不動産価格が上がっていると、誰もが「景気が良い」と考えてしまいます。これがバブルです。

でも、実際には景気は良くなっているわけではありません。本当の好景気は、「個人」がモノををたくさん買って、企業が儲かり、給料が増えるという好循環によるものです。企業の業績が良ければ、その企業に出資する人(=株を買う人)が増えて、株価が上がるのが本来の好景気なのです。

 

見せかけの「バブル」の崩壊

そんな「バブル」が起きている時に、日本銀行が「金融緩和を終わりにする!」といったら、どうなることでしょう。
見せかけの好景気だったので、そもそも、「個人」はモノを買うようになっていないし、「企業」ももうからず、給料を上げることもできません。それなのにいきなり金融緩和が終わり、個人も企業はおろか、銀行までもお金を使わなってしまったら、いよいよ私たちの手元にお金が入ってくることはなくなってしまいます。

こうなると、一瞬にして不景気になってしまうのです。これが「バブルの崩壊」といわれるものです。

これは1991年、この日本でまさに起きたことです。2008年に起きた「リーマンショック」と呼ばれる、世界中を巻き込んだ不景気も、アメリカでバブルが崩壊したことにより、起きたものでした。

 

今はバブルが起きている?

残念ながら、アベノミクスによる好景気も「バブル」です。

まず、「好景気」と言われるにもかかわらず、モノを買う人が増えていません。これは物価に表れています。

また、給料もなかなか上がっていません。


安倍総理は、経済界に対して給料を上げるように強く要請し続けていますが、なかなか企業は給料を上げようとしていないようです。やはり、バブル崩壊後の長い不景気の記憶があるから、企業としても、手元にお金を残しておきたいのでしよう。

高度成長期からぐんぐんと伸びてきた消費者物価や給料ですが、平成に入ってここ30年はずっと横ばいで、安倍政権が始まってからもその傾向に変化はありません。

一方で、株価はどんどん上昇しています。

2012年12月26日に安部内閣が発足した時点では、日経平均株価は1万円程度でした。それが2018年には2万4千円程まで上昇しました。

物価や給料が上がっていないということは、日本銀行が金融緩和によって世の中に供給したお金は、モノを買ったり、給料を上げたりすることには使われていないということです。一方で株価が上がっているということは、日本銀行が供給したお金が、金融資産の購入につぎ込まれているということなのです。

まさに、かつての「バブル」と同じことが起きてしまっているのです。

 

本当の好景気がやってくるには

しかし、日銀や政府にできることはこれが限界です。「個人」がモノを買い、「企業」が給料を上げなければ、景気がよくなることはありません。(経済って何?不景気とは?がわかるポイント3つ ~キホンのギモン解説集①~ )しかし、日本人は「バブル崩壊」の記憶も新しく、お金を使いたがらなくなっています。

「バブルではない好景気」がやってくるためには、「景気が良くなっている」という雰囲気を政府とメディアが作りだす必要があるし、私たちも「使わなければ景気が良くならない」という認識を持つ必要があるのです。

 

<政府の景気判断 ~2019.3.20~>

この日政府は月例経済報告で、景気判断を下方修正しました。「このところ輸出や生産の一部に弱さも見られるが、緩やかに回復している」という文言で、2016年3月以来の、3年ぶりの下方修正でした。

資本主義の現実として、好景気の後には、必ず不景気がやってくるものです。政府や日銀ができることは、「バブル」を急にはじけさせないよう、財政出動や金融緩和によって、バブルをゆっくりしぼませることです。

政府や日銀のこういったコメントは、国民のマインドに影響し、すぐに経済に影響が出ます。ですから政府は、国民の消費マインドが低下させないよう、「不景気なった」と言えず、こういった回りくどいコメントになるのです。日銀も「金融緩和をやめる」というとバブルがはじけてしまうかもしれず、なかなか「マイナス金利」の金融緩和をやめることができずにいるのです。

 

この国の衰退を食い止めたい、ニッポンを復活させたい、経済って何なのかゼロから知りたい、という思いから、ドルーロにゃんはこのブログで政治経済を学んでいきます。

日本の衰退を食い止める方法は「ひとりでできる経済政策」で解説しています。

どうして日本は衰退してしまったのかの4回シリーズも見てみてください。

政治家や偉い人に任せず、日本の復活のために、ひとりひとりで行動を起こしましょう。そんな運動をブログからはじめていきます。