ドルーロにゃん、政治経済を考える。

ドルーロにゃんが、イチから政経を学んで、ひとりで政策をやってみるブログ。

日本のタンカー攻撃 誰が攻撃の犯人なのか?

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2019年6月13日、日本のタンカーがイラン沖のホルムズ海峡で何者かに攻撃をうけました。海賊などといった小規模のものではなく、軍事兵器を使った「攻撃」です。ちょうど安倍首相が、アメリカとイランの仲裁のためにイランを訪問しているさなかの攻撃だということも、とても意味深です。

いったい、誰が、どの国が、何の目的で攻撃をしてきたのでしょうか。平和国家日本も、中東の戦争に巻き込まれていくのでしょうか。

ブログ主(ドルーロにゃん)が、今回も政治経済を考えます。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plainよろしくにゃ

 

  

安倍首相が訪問中に起きた攻撃

安倍首相は2019年6月12日〜14日の日程でイランを訪問しています。アメリカとイランの関係が悪化する中、アメリカとイランの仲裁を期待されての訪問で、ロウハニ大統領と最高指導者ハメネイ師の2人と会談しました。

そのさなかに起きた、日本タンカーへの攻撃。たしかにホルムズ海峡では船舶への攻撃は頻発してはいます。でもこんなピッタリなタイミングがあるでしょうか?しかも海賊による襲撃などではなく、近代的な兵器を使った攻撃。どこかの国の組織的な攻撃ではないかと疑わざるを得ません。

 

なぜ安倍首相はイランに

そもそも安倍首相はなぜイランに訪問したのでしょうか。今までの日本外交は「弱腰外交」などと言われ、国際的な存在感などなかったのに、ここに来てどうしてアメリカとイランの仲裁を期待されることになったのでしょうか。

弱腰外交の日本

日本はこれまで、貿易で利益を得ようとするために、世界中に影響力を拡大させる、ということをしてきませんでした。例えば、経済を動かすエネルギーとして重要な石油。中東で争いが起こるたびに、石油危機(オイルショック)が訪れることもあったのですが、決して中東に軍隊を派遣して石油を確保する、などということはしませんでした。

それはもちろん、憲法9条のものと、他国に侵略しないと自衛隊が定められていたからでもあるのですが、「アメリカに追従する」という方針をとっていたから、という意味のほうが大きいです。

日本は、何か争いがあったらアメリカを支持、支援ししました。そしてアメリカが争いに勝てば、同盟国である日本が買ったも同然、ということになるのです。

世界最強の軍事力をもつアメリカに追従するのは当然といえば当然ですし、そもそも日本は国の防衛をアメリカに頼みっきりなので、アメリカと異なる姿勢を表明することなどありえないことだったのです。アメリカの影に隠れて、日本の外交は存在感のないものだったのです。

 

イランとの関係

そんなアメリカと親しい(追従している)日本は、イランとも親しかったため、両国間の仲裁を期待されました。なぜ日本とイランは関係が深いのでしょうか。

 イランに限らず、中東諸国は第二次世界大戦前から、欧米諸国の支配下にありました。大戦後、多くの国が独立を果たしますが、欧米の影響力は残り続けます。イランは本当の独立を目指し、その方法の一つとして、イランで豊富に取れる石油の国有化を目指しました。石油は先進国の産業の生命線であるがゆえに、イラン自身が石油を握れば、欧米諸国にも強く出ることができ、対等な関係が築けると考えたのです。

しかし、イランに影響力を持っていたイギリスの反発を招き、世界的な経済制裁を受けます。誰もイランの石油を買えなくなり、イランは大きな収入源を失うというピンチが訪れたのです。しかしそんなときに現れたのが日本でした。経済制裁下でも、イランとの貿易を続けたのです。中東と欧米の支配の歴史とは無関係だった日本は、イランが真の独立を果たそうがそうでなろうが関係なかったのです。日本としてはイランから石油が輸入できなくては困るという意味合いが大きかったのです。

ピンチのときでも貿易を続けた国として、日本はイランとの友好関係が生まれたのです。

 

日本が困って喜ぶ国はどこか

アメリカともイランとも関係が深い日本。そしてその首相が仲裁をしようとしている時に起きた、日本タンカーへの攻撃。これを喜ぶ国はどこでしょうか。それがわかれば、おのずと犯人が見えてきます。

 

まずはイランである可能性。安倍首相が仲裁に訪れるとはいったものの、実際はアメリカの手下である日本。アメリカの手下が説得に来た、と思われれば、安倍首相はイランに歓迎されることはないでしょう。そんな日本に警告するために、日本タンカーを攻撃したのか??

でもそんなことをしたら、アメリカを中心とした国際社会の批判を浴び、さらに孤立する危険性や、戦争に発展する危険性すらあります。イランがそんなリスクを犯してまでタンカーを攻撃するメリットはないでしょう。

 

中東の勢力図と、世界的な米露対立

もう少し視点を広げて、中東全体の勢力図を見てみましょう。すると、アメリカの存在が意味を持ってきます。

中東の二大国といえば、イランとサウジアラビアです。かつてのイランはパフラヴィー朝という王政で、アメリカと親密でした。この王朝は、アメリカの軍事力やアメリカCIAの力を借りて、力を維持していました。その後、王朝を打倒するイスラム革命が起こって今のイランとなり、新政府はかつての王朝を支援していたアメリカとは敵対することになります。同時にイランは、アメリカと敵対していたソ連(今のロシア)と接近するのです。敵の敵は味方、ってやつですね。

石油がたくさん出る中東で、影響力を失いたくないアメリカは、もう一つの大国サウジアラビアと親密になることで、その影響力を維持していきます。こうして、アメリカ・サウジアラビア VS ソ連・イランという対立の構図が出来上がり、今に続いています。

 

そんなイランは、最近勢力を拡大しています。イラク戦争以後、20年以上混乱の続く、隣国イラクでのことです。イラクを一旦支配した、あの悪名高い「イスラム国」を各国が協力して掃討したわけですが、イスラム国がいなくなったあとのイラクを支配したのが、イランに親しい勢力だったのです。

サウジアラビアとイランの絶妙なバランスを保っていた中東の勢力図でしたが、イラクイラク寄りの国になり、イランの勢力が拡大すると、アメリカとしても黙っていられないわけです。そこで、あえてイランにケンカをふっかける形で、各国が協力して結んだ「イラン核合意」を放棄して、イランとの敵対を強めました。そして世界各国にイランへの経済制裁を呼びかけたのです。

 

タンカー攻撃の犯人は

そう、アメリカはイランと敵対したいのです。なのに、敵対関係を仲裁しようとする国が現れたらどう思うのか。しかもその国がアメリカ自身の手下である日本だとしたら。。。?

もちろん、アメリカにとっては面白くありません。「余計なマネはするな」と、軍事力を使って威嚇してもおかしくはありません。さらにタンカー攻撃をイランのせいにしてしまえば、「日本を守るため」と、軍隊を持たない日本に代わってイランを攻撃することもできるのです。

 

だいたい、犯人は予想がつきますよね?

いやいや、「あの同盟国」が日本に対してそんなことをするわけがない、と普通は考えますよね。でも「あの国」はそんなにお人好しではありません。自国が世界一の力を維持するためには、世界中に争いの種を巻き、同盟国に頼られながら敵を駆逐していくという、そんな国なのです。それも、直接手を下さず、現地の武装組織を支援するといった形で。現在進行中の、米中貿易戦争もそうだし、かつては子分の日本に対しても争いを仕掛けてきたのです。詳細は次のリンク先で、ドルーロにゃんが学んでいます。

米中貿易戦争、なぜ始まった?日本の戦略はどうする?

【第4回】アメリカに2度負けた日本 〜どうして日本は衰退してしまったのか~

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plain見てにゃ

 

 

この国の衰退を食い止めたい、ニッポンを復活させたい、経済って何なのかゼロから知りたい、という思いから、ドルーロにゃんはこのブログで政治経済を学んでいきます。

日本の衰退を食い止める方法は「ひとりでできる経済政策」で解説しています。

どうして日本は衰退してしまったのかの4回シリーズや、キホンのギモン解説集も見てみてください。

政治家や偉い人に任せず、日本の復活のために、ひとりひとりで行動を起こしましょう。そんな運動をブログからはじめていきます。

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