ドルーロにゃん、政治経済を考える。

ドルーロにゃんが、イチから政経を学んで、ひとりで政策をやってみるブログ。

米中総領事館の閉鎖、日本も中国に対抗すべきなのか。

 

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アメリカによる中国総領事館の閉鎖、そして中国によるアメリ総領事館の閉鎖と、米中対立の応酬が激しくなっています。日本としても中国の横暴には危機感が増している中、盟主アメリカとともに、対中姿勢を強めるべきだ、という声も日に日に増えています。しかし、保守派であるはずの安部政権はなぜか中国に甘く、香港問題の対応も積極的ではないし、習近平主席の国賓来日を中止する決断も下せていません。日本はアメリカとともに、横暴を極める中国に強硬姿勢を取るべきなのでしょうか。

今回もドルーロにゃん(ブログ主)が政治経済を考えます。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plainよろしくにゃ

中国の横暴の正体

現在の世界の覇者はアメリカであることに異議のある人はいないでしょう。第二次世界大戦の勝者の代表であるアメリカは、世界中に基地を持ち、世界中の海上交通を制覇することにより、同盟国の貿易の安全を守っているほか、その貿易ルールも戦後に戦勝国アメリカを中心に作られました。日本はそのルールにうまく乗って高度成長を成し遂げた一方、盟主アメリカからの貿易圧力に対抗することはできず、何度もその圧力に屈してきました。

しかし中国は今、アメリカの覇権を覆そうとしています。中国をはじめとする新興国も、アメリカ中心の貿易体制のもと発展を遂げてました。しかし発展を極めた先に待ち受けるのは、日本と同じように、覇者アメリカからの妨害である、貿易圧力でした。でも、中国は日本の失敗をよく研究してたのでしょう、アメリカからの圧力を予見し、アメリカに依存しない新たな貿易体制「一帯一路」の構築に挑んだのです。世界中の新興国に資金援助して味方をつくり、海上陸上の交通路や確保するため、それらの国々に港湾や鉄度、軍事基地を設置してきました。中には過大な借金を負わせて、その肩代わりに施設を奪い取ることもしています。また中国大陸の海の出入り口である、南沙諸島周辺の南シナ海尖閣諸島などへの進出も強めています。これら近年の中国の横暴も、中国にとっては生き残るための政策であり、日本の二の舞にならないためでもあったのです。

米中貿易戦争、なぜ始まった?日米貿易交渉はどうなる?日本の戦略は?

 

日本も米中戦争に参戦すべきなのか

もちろん、アメリカ中心の貿易体制で利益を上げている、日本や欧米などの国々は、この貿易体制が中国によって覆されることは死活問題です。それを予見して中国は、ヨーロッパや日本を「一帯一路構想」に取り込もうと活動してきましたが、盟主アメリカのトランプ大統領はそれを許しませんでした。中国に対して貿易戦争をしかけたのです。追加関税やファーウェイの排除、そして今回の総領事館閉鎖などは、すべてアメリカが中国の覇権拡大を阻止するために仕掛けたものでした。

米中の戦争はすでに始まっています。軍事力を行使した戦争はしていなくても、すでにはじまっている経済戦争や情報戦は、前の世界大戦の頃よりグローバル化した現在では国家に多大なダメージを与えるものとなっています。これがいつ軍事衝突にまで至るかわかりません。先の大戦に負け、衰退の一途を辿る日本としては、次の世界大戦に負けることだけは、絶対に避けなければなりません。

古くからのアメリカの同盟国イギリスは、ファーウェイを排除するなど、アメリカに歩調をあわせることになりました。では、貿易体制や防衛力に依存する日本も、アメリカと一緒になって中国叩きをすべきなのでしょうか。

残念ながら答えはノーです。

 

アメリカも味方ではない

日本は第二次世界大戦の敗戦国となり、その後の世界の繁栄は戦勝国のものとなりました。いやいや、高度経済成長やGDP世界2位といった繁栄があったじゃないかと言われるでしょうが、それはほんの一瞬のできごと。長期的に見れば、同盟国の顔をしたアメリカによって、日本の国力は徐々に奪われ、衰退の一途をたどっているのです。アメリカは日本を、二度と立ち向かってこれない国に変え、次いで日本が経済成長すればこれを妨害し、さらには一億人という巨大市場を自国の利益につなげようと画策してきたのです。アメリカに2度負けた日本 〜どうして日本は衰退してしまったのか~

アメリカは、日本を守ってくれる頼もしい同盟国などではありません。外交はすべてが利害関係で成り立っています。アメリカ経済的に日本を搾取し、一方の日本も、アメリカの防衛力という恩恵にあやかり、その地位に甘んじてきた、そういう関係なのです。

アメリカは、中国を打倒し、自国中心の貿易体制が守られることを第一に考えています。人口・市場が縮小し、衰退する日本の経済的価値は下がってきました。そんな国が対中戦争の舞台になって荒廃しても、アメリカにとっては痛くもないのです。

 

日本を守るための最善策は

この米中戦争をアメリカと一緒になって戦ったところで、日本は中国に勝てるでしょうか。仮に勝てるとしても、軍事衝突となれば米中の戦場になるのは日本です。中国を攻撃するための最寄りの基地は日本や韓国にあり、真っ先に中国の標的となります。日本を舞台に米中が衝突し、前の大戦のように日本全土が焦土になれは、衰退している日本は二度と立ち上がることなどできないでしょう。そんなことは絶対に避けなければならないのです。

これを避けるためには、アメリカにも中国にもいい顔をして、どっち付かずの態度を取り続けるしかないのです。しかし、そんな外交がうまくいくでしょうか。

ここで、二十世紀の朝鮮半島を考えてみてください。朝鮮半島日清戦争朝鮮戦争といった大国間の戦争の舞台となり、最終的には国家が分断されることになってしまいました。これを教訓にしたかどうかはわかりませんが、現在の韓国も北朝鮮も、中国とアメリカの間を、接近しては離れるといった具合に、どっち付かずの外交をとっています。どちらかに付けば大国間の軍事バランスが傾くので、焦るもう片方からの経済的恩恵を引き出して逆側に付く、といったように。こうすることで、ギリギリ軍事バランスが保たれ、戦争にはならず、経済的恩恵も得続けることができるのです。(最近の韓国は中国からもアメリカからも見放されたようですが)

なぜ韓国は反日に走り、なぜ北朝鮮は核開発とミサイル発射をするのか。朝鮮半島の定められた宿命とは。

21世紀の今は、大国間の前線が朝鮮半島ではなく日本にあります。日本もこの外交政策への転換が必要なのかもしれません。

 

もうひとつの選択肢

しかし、この政策をとって中国との対決を避けたとしても、放っておけば中国がアメリカの国力を上回り、世界の覇権を握るのは時間の問題です。その時日本は、アメリカに媚びへつらってきたように、盟主を乗り換え、中国に媚びへつらうことになるのです。

おそらく安部政権の方針はこうでしょう。アメリカの覇権を永遠のものとは見ていないのです。しかし、日本が正真正銘の独立を果たすには、中国を叩き潰す、というもうひとつの選択肢もあります。

そうするなら、「防衛力強化」や「アメリカを応援する」といった生ぬるい対応では、いざ中国と戦争になった際には日本が焦土になるだけです。やられる前に先制攻撃によって中国を徹底的に叩き潰す必要があるのです。航空戦力、巡航ミサイル弾道ミサイル、核ミサイルなども配備しなければなりません。さらには開戦前に、中国国内を撹乱して内部から倒す、スパイ活動も行わなければなりません。諜報機関の力を拡充し、香港独立への加担や、言論統制や、民族弾圧への抵抗に加担する、といったことも必要になるでしょう。

 

日本人の決断のとき

もう、アメリカになんとなくついていく、という時代は終わりました。アメリカの言うままに対中戦争に参戦すれば、国土は焦土と化すだけです。しばらくは米中どっち付かずの態度をとり、やがては中国に屈するのか。または、徹底的な軍事強化と諜報力強化により、中国を叩き潰すのか。この決断をしなければ、日本の衰退を黙って見届けることになってしまうのです。

政治家はこの態度を明確に表し、国民も覚悟を決めて、この国の船頭を選ぶ時がきているのです。

 

今回のドルーロにゃんの解説はここまで。

この国の衰退を食い止めたい、ニッポンを復活させたい、経済って何なのかゼロから知りたい、という思いから、ドルーロにゃんはこのブログで政治経済を学んでいきます。

日本の衰退を食い止める方法は「ひとりでできる経済政策」で解説しています。

どうして日本は衰退してしまったのかの4回シリーズや、キホンのギモン解説集も見てみてください。

政治家や偉い人に任せず、日本の復活のために、ひとりひとりで行動を起こしましょう。そんな運動をブログからはじめていきます。

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