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なぜ韓国は反日に走り、なぜ北朝鮮は核開発とミサイル発射をするのか。朝鮮半島の定められた宿命とは。

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韓国政府による非礼な外交措置や反日行為が相次いでいます。徴用工問題の争点化、慰安婦合意の破棄、北朝鮮への制裁違反(瀬取り疑惑)、その発覚を恐れた自衛隊機へのレーダー照射事件、ついにはGSOMIAの破棄にまで至りました。一方北朝鮮は、アメリカとの核合意・ミサイル合意をうやむやにし、いまだに核ミサイル開発と実験を繰り返しています。

なぜ韓国は反日をつらぬき、なぜ北朝鮮は周辺国を威嚇するのか。一見、理解しがたい外交政策を展開する両国ですが、実はこれらの外交政策は、朝鮮半島という独特な国際環境に原因があるのです。今回は朝鮮半島について、ドルーロにゃんが考えます。

f:id:dolleuro-seikei:20190404181120j:plainよろしくにゃ

 

 

対立にさらされた歴史

帝国時代と朝鮮半島

朝鮮半島独特の国際環境とは、「常に大国の対立にさらされてきた」ということです。

古くは、7世紀に日本(大和朝廷)と中国(唐)が朝鮮半島で戦った、「白村江の戦い」という記録が残されています。

モンゴル帝国ユーラシア大陸を蹂躙したときも、小国である朝鮮はモンゴルにひざまずく他ありませんでした。そしてモンゴル帝国の命令に従い、帝国とともに、鎌倉幕府が治める日本に軍隊を派遣しました。

 

近代になると、西に大国「清」、そして東には鎖国をやめて富国強兵政策をとった「大日本帝国」が現れます。時代は帝国主義で、欧米の列強が世界中に植民地を築いた時代。日本も朝鮮半島満州の資源、人口、市場を欲しがりました。

ちょうどそのタイミングで朝鮮半島でも政府への反乱が相次ぎ、国は乱れていました。反乱を鎮圧するために、古代から朝鮮半島を属国としてきた清の力を借りようとする勢力もあれば、新興の日本の力を頼る勢力もあり、両軍が朝鮮半島に入ってきます。すると、朝鮮半島の主導権を巡って日本と清が対立、日清戦争が起きました。

 

勝利した日本は、清から朝鮮半島の主権を奪いました。すると今度は、日本とロシアの対立が始まります。日本はさらに満州への進出を狙います。一方のロシアは、シベリア地域の開発のため、貿易港のある沿岸地域そのものや、そこに至る貨物線を確保するため、同じように満州朝鮮半島への進出を狙いました。そして日露戦争が起きたのです。

日露戦争に勝利し、朝鮮半島での優位を確立した日本により、やがて朝鮮は併合されることになります。

 

冷戦時代の朝鮮半島 

第二次世界大戦後、日本の支配から解放されたのも束の間、今度は資本主義と社会主義という二陣営の対立に巻き込まれます。

第二次世界大戦の後、世界中の国が荒廃するなか、唯一の大国となったのはアメリカとソ連でした。アメリカにとってソ連とは、世界貿易の覇権を競う相手であると同時に、各国政府を革命で倒し、世界中に社会主義を広めようとする危険な国家でもありました。したがって、戦後すぐに、この二大国は対立します。

朝鮮半島では戦後、日本に代わって連合国軍がやってきました。戦後処理が終われば、朝鮮半島は独立国になれるわけですが、そこに資本主義と社会主義の対立が入り込みます。資本主義のアメリカと社会主義ソ連それぞれが、朝鮮半島で国を独立させたのです。これによって北朝鮮と韓国が生まれ、まもなく、その南北両国と後ろ盾であるアメリカ・中国なども参戦した、朝鮮戦争が起きたのです。

 

朝鮮戦争は勝敗のつかないまま休戦し、朝鮮半島は南北に分かれ、対立が続くことになります。資本主義と社会主義が対立する最前線であるため、韓国・北朝鮮は、後ろ盾であるアメリカ・ソ連から支援を受け続けます。

しかしある日突然、北朝鮮はその後ろ盾を失います。それが1989年のソ連の崩壊です。その当時、社会主義各国は経済的に行き詰まり、数々の改革も成功しないまま、次々と体制が崩壊してゆきました。

北朝鮮は崩壊こそは免れましたが、これまで経済的・軍事的に頼みの綱であったソ連が消滅したことにより、窮地に陥ります。目立った産業もなく、山ばかりで農業にも適さない土地であったため、干ばつに襲われると、国民はとてつもない飢餓に苦しむことになりました。

さらに北朝鮮は、小国がアメリカに蹂躙される事態を目の当たりにしました。アメリカとイラク湾岸戦争です。イラクが隣国クウェートに侵攻したため、アメリカを中心とした欧米各国がこぞって、絶大な軍事力でイラク軍を攻撃、クウェートを解放しました。

これまでの冷戦時代なら、小国がアメリカと敵対することがあっても、ソ連が助けてくれる、という期待がありました。敵の敵は味方、というわけです。例えば、アメリカと親密だった、イランのパフラヴィー朝イスラム革命によって崩壊したのち、新しいイラン政府が接近したのはソ連でした。しかしもう、そのソ連はもう存在しません。アメリカに敵対すれば袋叩き似合う、という時代になってしまったのです。

 

大国に挟まれた小国が生き抜く手段

北朝鮮のやり方

そこで北朝鮮が目指したのは、核・ミサイルの獲得です。それらを持っていれば、どんな大国でも一撃で滅ぼすこともできます。すると、軍事大国であっても、容易に小国に戦争を仕掛けることができなくなるのです。

 

もちろん、周囲の国々は大反対します。当初アメリカは、北朝鮮の後ろ盾であるロシアや特に中国に対して、この核問題を解決させるよう求めました。

すると北朝鮮は、見返りとして、中国から経済的支援を得られれば核を放棄する、と言い、一度は核放棄の約束をします。しかしいつの間にかその約束を無視して、核実験やミサイルの試射を繰り返すのです。

怒ったアメリカは、北朝鮮への軍事攻撃も視野に入れ、核を放棄するように再び圧力をかけます。中国としては、北朝鮮アメリカと戦争をして占領されるようなことがあっては、一番困ります。中露朝と日米韓の対立の最前線は朝鮮半島なのに、それが中朝国境まできては、中国の安全に関わるのからです。

だから中国は、また北朝鮮に経済的支援を与えてでも、核実験・ミサイル試射の中止と、核・ミサイル開発の中止を約束させるのです。(もちろん、この後また約束は破られます)

 

これらは一見、独裁者の気まぐれに見えて、非常に戦略的であり綱渡りのような外交政策です。アメリカと極限まで対立したかと思えば、中国と接近して急におとなしくなる。見返りの経済支援を手に入れたとたん、またアメリカと対立する。そしてまたおとなしくなって経済支援を・・・。

こんなことを繰り返している間に、北朝鮮は何度も経済的支援を受けながら、着々と核・ミサイル開発を進め、アメリカに攻撃されない、核に守られた国になってしまったのです。

 

韓国のやり方

綱渡りの外交政策をとるのは北朝鮮だけではありません。朝鮮半島は大国の対立にさらされてきた歴史をもつため、韓国も似たような外交を取らざるを得ません。昨今の、無礼な外交や反日姿勢は、理解し難いようですが、これも国際戦略のひとつなのです。

北朝鮮から国を守るにはアメリカと同盟を組むしかない韓国。しかし、発展する隣国中国の経済的な恩恵は受けたいから中国にも接近するし、小さい国家が生きていくには、アメリカと対立してでもハイテク産業で世界を席巻する必要がある。(そのため、韓国のサムスンアメリカのアップルと対立した)それでも韓国経済は行き詰まってしまい、そんな国の政権が国民の支持を得るためには、アメリカに怒られてでも、反日によって力強いリーダーを演じる必要がある。

こうして、日米韓同盟にありながら、必ずしもアメリカべったりではなく、アメリカと中露朝陣営の間を綱渡りのように揺れ動くのが、韓国の国際戦略なのです。

 

日本も他人事ではない

以上のことから、朝鮮半島の悲運な歴史が、南北両国に不可思議な外交政策をとらせているということができます。

しかし、日本も他人事ではありません。米中露という大国の対立が深まり、日本はその真ん中に位置しています。かつての朝鮮半島のように、日本も大国の対立に巻き込まれかねない時代になってきました。これからは、アメリカにべったりではなく、中国やロシアにすり寄ったりし、狡猾に生きていくことが、この「小国」には求められるのかもしれません。

関連リンク:

緊迫する東アジア。なぜ日韓関係が悪化し、北朝鮮は暴走する?米中貿易戦争、米中露のミサイル開発で、日本の安全保障はどうなる?

 

今回のドルーロにゃんの解説はここまで。

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